スターリングエンジンの基礎〜その5〜

5. スターリングエンジンの形式

上記のような基本的な空間要素を得るためのスターリングエンジンの機械的構成はα、β、γ形として分類されています。

• α形エンジン
  α形エンジンは2つの独立したピストンが加熱器、再生器、冷却器によって接続されています。α形エンジンの主な利点は、多数のシリンダをコンパクトに配置できる単純さと、高い圧縮比を比較的容易に得ることができることですが、熱交換器の配置の自由度が小さいという欠点も持ちます。

  
  

• β形エンジン
  β形、γ形エンジンはどちらともディスプレーサピストンが用いられますが、β形エンジンはディスプレーサピストンとパワーピストンが同じシリンダ中に配置されています。β形エンジンは最も古いスターリングエンジンの形式であり、R.スターリングによって発明された最初のスターリングエンジンもこの形式が採用されていました。β形エンジンは同一シリンダ内にあるパワーピストンとディスプレーサピストンをオーバーラップさせることにより死容積を低減できる利点を持ちますが、パワーピストンとディスプレーサピストンが同軸上にあるので駆動機構が複雑になるという欠点があります。

  
  

• γ形エンジン
  γ形エンジンは、ディスプレーサピストンとパワーピストンが独立したシリンダに配置されます。γ形エンジンは他の2つの形式に対し若干死容積が大きい傾向があります。これはしばしば比出力の低下を招くこととなりますが、形状の自由度が高いため、多くのスターリングエンジンで採用されています。

  
  

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